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既 刊

随筆・小説・歌集・俳句集

母のたより ハハノタヨリ―コグマノハガキ

●母のたより ―コグマのハガキ

田中園子 タナカソノコ【著】
ISBN: 1090-1013-2020
[四六判上製函入り]285p 20cm
(1983-11-23出版)
定価=本体2381円+税

§昭和19年8月~20年6月、慶応幼稚舎・学童疎開先の子息の
もとへ日をあけず送られたハガキ(それはときに何枚にもなる)から
抜粋して記録された。
急変をつげる時代のなかに、限定された母子の書簡の自由な息吹をつたえる貴重な資料としてもみることができる。

手紙の筆者は、能楽師・宝生流名人田中幾之助氏の夫人で、白樺同人、有島武郎・生馬、里見弴の姪御さんであり、受け取る子息は、当時慶応幼稚舎が「疎開学園」をひらいていた伊豆修善寺・野田屋旅館に学童疎開をしていた。氏は現在・慶応義塾大学経済学部教授の田中明氏である。氏はこのハガキをこの出版時まで40年の間大事に保管されていた。 当時書簡は、ハガキにかぎられており、文章は長いものは何枚ものハガキにしてとどけられた。内容は、時局の下での生活の様相や、めぐってくる季節をおりこんだ、ときに古典文学だったり、詩であったり、短歌であったり。母のこまやかな子息への心配りが、急時の下において届けられる。このハガキの意味は、とても大事なものを含んで、いまも子息の宝箱のなかにある。

【目次】
或る思い出―序にかえて  安東伸介
昭和十九年八月下旬―九月
昭和十九年十月
昭和十九年十一月
昭和十九年十二月
昭和二十年一月
昭和二十年二月
昭和二十年三月
昭和二十年四月
昭和二十年五月―六月初旬
付記
編集後記

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