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既 刊

現代社会・制度/地域史・地誌

ゴセヤケル ユスサンニェ フクシマゲンパツヒサイシャノアユミ・フタバチョウカラ
 ―コレマデモ3ネン、コレカラノ3ネン

●ごせやける 許さんにぇ
  フクシマ原発被災者の歩み・双葉町から
 ―これまでの3年、これからの3年

ごせやける 許さんにぇ 井上 仁(フクシマ復興支援ネットワーク)【著】
ISBN: 978-4-86209-051-5 C0030
[四六判並装]432p 18.8cm
(2014-03-11出版)
定価=本体1852円+税

「全町民に共通した生活再建への二つの前提課題」
「町民が選択する生活再建への三つの道筋」

◆プロジェクトマネジメントの実践的研究を職とする著者は、故郷の双葉町、および浪江町が行なった膨大な「被災住民の声」調査から、「原発過酷事故」避難者すべてに共通する「五つの復興再生課題」をしぼり出し、フクシマ問題の「これまでの三年」と、求めるべき「これからの三年」を提起し、公正な筋道を求める。
◆「原発過酷事故」に発しながら、なぜ「被災者問題」への関心と「脱原発問題」への関心は、分かれていくのか。フクシマ問題にたいし未決着なままに、なぜ原発再稼動と原発輸出を進めようとするのか。
◆全てが「原発過酷事故被災」にはじまる事態の処理をなしくずしに処理するなら、今後とも、同様の過酷な被災の全ては、同じように国民の誰にでも降りかかるものとなる。降りかかる放射能は、この国の政治の災厄そのものを示しています。
◆国の原発政策の犠牲となって、故郷を奪われ、生活基盤を根こそぎにされた福島県浜通り地区を中心とする15万人の避難住民、自主避難住民は、怒りと悲しみと無念さがつのる避難生活から踏み出し、何よりもまず自らの生活再建を求めるとともに、わが村や町の再興への確かな道筋を必死に模索しています。
◆賠償問題の未決着や中間貯蔵施設を二町に押し付けるなど、なしくずしに妥協を迫る政策的処理に対して、静かな怒りを持って、自問したい。「だれが、フクシマを風化させるのか?」「フクシマの明日に希望と安らぎなくして、この国にほんとうの豊かさと幸せはあるのか?」、と。
◆著者は全国民に「フクシマ復興支援ネットワーク」への参画を呼びかけている。これからの三年が正念場。原発被災者の皆さんの思いと覚悟を分かち合い、ともに歩んでほしい。子どもたちの世代に禍根を残さないためにも!

【目次】
はじめに
1.これまでの三年
序章 全ては原発過酷事故による緊急避難からはじまった
  1章 原発災害復興支援プロジェクトの立ち上げ
  2章 避難所で生活する住民への二つの緊急支援
  3章 生活再建に向けて――正当な損害賠償請求の道筋を探る
  4章 被災自治体の復興再生に向けた暗と明
  5章 「被災町民の声」から復興の課題をさぐる
2.これからの三年
 1章 わが村や町を棄てるわけにはいかない
  2章 国は福島の復興再生にどれだけ本気か
  3章 全被災住民、被災自治体に共通した五つの「復興再生課題」
  4章 フクシマ「原発過酷事故災害」は何一つ解決していない
おわりに
巻末資料1 損害賠償チェックリスト
巻末資料2 心の損害についての調査表

【著者紹介】
井上 仁(1941年~)
福島県双葉町出身、東京大学卒。
18歳までの幼年、少年時代を双葉町で過す。企業、自治体等の経営、行政革新プロジェクトマネジメントの実戦的研究、支援を行うベルヒュード研究会、ベルヒュード国際経営研究所を主宰。『困った組織と、どうつきあうか』、『組織改革の手順』、『変革期のナレジマネジメント』、『ベルヒュードソリューションプログラム』『日本版6シグマによる人材育成と組織強化』等の問題解決力ある創造的組織のあり方についての著書、論文を多数発表。
2011年5月、双葉町の有志の皆さんと原発復興支援プロジェクトを立上げる。現在、原発被災者の生活再建、被災自治体の再興の道筋を探る「フクシマ復興支援ネットワーク」の事務局を務める。

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