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既 刊

現代社会・制度/地域史・地誌

ドイツ 低線量被曝から28年 ドイツ テイセンリョウヒバクカラ28ネン
―チェルノブイリハオワッテイナイ

●ドイツ 低線量被曝から28年
 ―チェルノブイリはおわっていない

ふくもと まさお【著】
ISBN: 978-4-86209-047-8 C0036
[四六判並装]242p 18.8cm カラー口絵2p
(2014-03-11出版)
定価=本体1500円+税

◆推薦◆小出裕章氏(京都大学原子炉実験所)
 ドイツは旧ソ連チェルノブイリ原発事故で放射能汚染を受けた。
 本書はその時の貴重な経験を記した宝庫である。
 「歴史は繰り返す」との諺通り、福島第一原発事故は起きた。
 本書は歴史を学ぶことの大切さを教えてくれる。


§チェルノブイリ事故は、東西ドイツ統一を促し、
福島原発事故はドイツの脱原発を決定づけた。
当時、東ドイツ在住だった著者は、
ドイツの“その時”から現在までをつぶさに見つめ続けた。
低線量被曝国であったドイツは、現在も健康被害が続いている事実。
ドイツ報告から福島・日本を考える。

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ドイツの農地では、現在、風力発電用の風車が建ち、牛舎などの屋根には太陽光パネルが目立つようになった。(著者撮影)

横浜市民測定所で測定結果をみるトーマスさん(高雄綾子さん提供)

【目次】
はじめに
1 情報がない
黒い雲がくる ドイツ南部が最も汚染される 国はどうしたのか 自治体が競って規制値を下げる 社会がパニック状態になる 東ドイツ市民には何も知らされない
2 農産物が放射能に汚染される
農業団体が途方に暮れる 出荷を停止する 出荷停止した農産物は土に埋める 汚染農産物の処分に困る 汚染規制値を引き上げる 汚染産物をたらい回しする
3 市民が測定をはじめる
市民が食品の放射能汚染を測定する 試験的に食品の測定をはじめる 食品一トンを測定する 非難、中傷も受ける チャリティーコンサートで測定器を買う資金を集める 食品汚染の情報紙を発行する 科学者が市民を助ける 自らの健康を顧みずに測定する 食品の測定結果を公表するのは報道の自由だ 市民研究所をつくる 市民同士が協力して独立する 活動を拡大する 市民測定所が消滅していく 日本の市民測定には長く活動を続けてほしい ‡日本でも、チェルノブイリ原発事故後に市民測定所ができていた
4 食品は今も放射能に汚染されている
食の安全が崩れる 規制値が制定される 食品は事故翌年のほうが汚染されている 食事によって被曝する 食品には現在も放射能汚染が検出される 予想外の食品が汚染されている ベータ線を放出する放射性核種は怖い ストロンチウムは骨に蓄積される ストロンチウムはいろんな食品に吸収される ストロンチウムの比率が増える 体内のストロンチウムは推計しにくい
5 森林の汚染は人間の力ではどうにもならない
森林は除染できない 森林で火事が起こると、放射性物質が放出される 森林に生息する動植物は汚染されている イノシシの肉の汚染は今もひどい 猟獣の肉は全量検査されている ‡自家栽培、自家採取したものは食べる前に測定を!
6 ガンの不安とともに生きる
ガンはすぐには発症しない トラックを除染する はじめて労災と認められるが 一人だけ生き残る 有機農民が汚染と戦う ‡ドイツ有機農民の「秘策」
7 ドイツにも健康被害がある
被害の事実は認めるが 一般市民は健康被害が起こっていることを知らない 実効線量を推計する 乳児死亡率が増加する 死産率が増加する 女児が減る 先天異常が増える ダウン症が増える 小児ガンが増える 甲状腺疾患も確認される 小児甲状腺ガンは把握されていない ドイツの健康被害は何を示唆しているのか
8 チェルノブイリは警告する
死亡数だけでもこんなに違う 低線量被曝の影響は無視される 個人が標準化された枠に入れられる わからないことは安全だとされる 個人の運命は無視される 疫学調査の結果が出てからでは遅い
9 日本の規制はそれでいいのか
ドイツの専門家は「移住」を指示すべきだったという 食品汚染規制の基準が数倍になっている 社会的コンセンサスを求めるべきだ 規制値には政治的、社会的なバックアップが必要だ 放射性物質はなくならない 放射能で汚染された食物の処分を管理すべきだ 食品汚染はセシウム137で規制すべきだ 食品中のストロンチウムを測定すべきだ ‡ 食品の測定値はどう読むのか
10 日本の健康影響を調べる
厚労省の人口動態統計を分析する 乳児死亡率 出生数 出生性比 観察を続ける必要がある 情報をオープンにする ドイツと日本で類似性がある 市民が測定する ‡ 情報操作、デマ情報に注意する
11 チェルノブイリからフクシマへ
同じことが繰り返される 原点はヒロシマ・ナガサキにある 被爆者、ヒバクシャ、被曝市民 低線量被曝に対する見方が変わる 社会の転機がくる
あとがき
《参考資料》
ドイツ・バイエルン州における農水産物の放射能汚染の推移 11
野菜類、穀類の放射能汚染/くだもの類の放射能汚染/ハチミツの放射能汚染/
肉類の放射能汚染/乳製品の放射能汚染/キノコ類の放射能汚染/魚類の放射能汚染/
水道水と地下水の放射能汚染/農水産物放射能汚染のまとめ
《参考文献》

【著者紹介】
ふくもと まさお
1985年東ドイツに渡り、邦人企業に勤める。東西ドイツ統一後、ベルリンで会社を共同経営。ベルリン・フンボルト大学非常勤講師などを経て、現在フリー・ジャーナリスト、ライター。分野は、政治・経済・社会・環境・科学・音楽など。特に原子力、再生可能エネルギーなどエネルギー問題に詳しい。
ドイツ・ベルリン在住。 *ベルリン@対話工房 www.taiwakobo.de

原発事故後の状況

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