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既 刊

表象交通論/現代思想/文学

ガラスゴシニミルジョイス

●ガラス越しに見るジョイス

ガラス越しに見るジョイス 金井嘉彦 カナイヨシヒコ【著】
言叢社刊
ISBN: 978-4-86209-088-1 C1098
[四六判正規並装]
本文370p
天地188mm×左右128mm×束(厚さ)19mm
(2022-06-16出版)
定価=本体2727円+税【3000円(税込)】

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◆19世紀はキリスト教にとって激動の時代であった。19世紀末から20世紀初頭には宗教モダニズムと呼ばれる嵐が吹き荒れた。ジョイス作品はそのようなキリスト教のあり様に対する応答としてある。歴史的史料を用いて、ジョイスが宗教と闘い・苦悩する姿を読み解く。
◆On and on and on and on ! ジョイスがスティーヴンに言わしめた「前へ前へ」という言葉とともに、まだ見ぬジョイスの世界に向け一歩踏み出す。
◆あたらしい言語を創造することで世界を創造しようとしたジョイスの、時代の言語の復元を試みる。ジョイス研究の新しい地平を切り開く。


【目次】
まえがき
一章 アクィナスに刃(やいば)を仕込む〈応用〉
二章 『キリスト教徒に開かれた地獄』よりも地獄を「開く」者
三章 二つの「スキュラとカリュブディス」と、〈イエス伝〉〈イエス小説〉が語るイエスにならいてシェイクスピアを語るスティーヴン
四章 ジョイスが《エッケ・ホモ》に見たもの
五章 バード・ガールに学ぶ見せ消ち
六章 「西への旅」に見る見せ消ち
七章 「まだ学ぶべきことがたくさんある」 ―ジョイスのコインシデンス再考
八章 コインシデンスと沈黙の詩学
九章 ピスガ山より眺め見るコインシデンス ― サインの文学へ
十章 χ(カイ)のユニヴァーサリズム
あとがき/本文註


【執筆者紹介】あいうえお順
◆金井嘉彦(かない よしひこ)
一橋大学 特任教授。 著書 『ジョイスの挑戦――「ユリシーズ」に嵌る方法』 (編著、言叢社、2022年)、 『ジョイスの迷宮――「若き日の芸術家の肖像」に嵌る方法』 (編著、言叢社、2016年)、 『ジョイスの罠――「ダブリナーズ」に嵌る方法』 (編著、言叢社、2016年)、『「ユリシーズ」の詩学』(東信堂、2011年)ほか。