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既 刊

養育論(心の発達と病理)・福祉論

ダレダッテダレカノヒーローニナレル―ダウンショウジコソダチニッシ

●誰だって誰かのヒーローになれる―ダウン症児子育ち日誌

広岡真生 ヒロオカマサオ【著】
ISBN: 978-4-86209-081-2 C0036 ¥1682E
[四六判上装]240p 18.8cm
(2020-10-24出版)
定価=本体1682円+税
誰だって誰かのヒーローになれる

・ダウン症の長男歩睦との16年間の日々を父親がつづった子育ち日誌。
 ゆっくりと育つ「あゆ」の歩みのなかに、「ほんとうのこと」がある…。
・7年前に始まった新型出生前検診。主にダウン症児が標的にされていることを聞くにつけ、思いを発信するべきだと考えるようになった。
 あゆむは他人の感情の起伏を読み取ることが上手い。怒りや悲しみに寄り添ってくれ、ささくれ立った気持ちにもそっと手を伸ばしてくる。一緒に暮らしていると助けられたり、ほっとしたりする。いい奴だなと思う。
――あゆ16歳。自分の人生を 自分の足で歩みだしている。


【著者より】
子どもの成長はこんなにも楽しく、健常児と何ら変わらない驚きと発見に満ちていること、ダウン症児者の人生がとても豊かで、彼らとの暮らしもまた愉快で幸せであること、ダウン症児者も日々の出来事に悩み、将来への希望や夢を持っていること等、多くの方々に知ってもらいたいとの願いを込めました。
 また、昨今の出産事情を反映した「出生前検診」に関する議論や、ALS嘱託殺人事件・相模原障害者施設殺傷事件などに見え隠れする「優生思想」について、ダウン症児の親の思いも文章にしました。
 子育て世代や、マイノリティ側の立場からの発信をすることで、長きにわたる閉塞感に覆われたこの社会のありように、何か違った視点が提供できないかと模索もしました。


【もくじ】
はじめに
1章 突入!赤ちゃんのいる世界
生まれたときのこと  心臓の手術  保育園でのハンガーストライキ
ごみ箱をひっくり返すと、そこはワンダーランド  には負けない!
肺炎で三週間の入院  地上二二センチの世界  うんちは汚い?
しんどい運動会  幸せなおやつ  そして二歳になりました
両足で立てるようになった喜び  新型出生前検診(NITP)に思う

2章 ふたりの保育園児
息子を比べるという問題  成長過程で見えるもの、見えなくなるもの
育休体験  主夫の日常は不思議な感覚  夫婦の危機を乗り切るには
そして言葉が残った  歩きはじめたあゆむ  二人乗りバギーは大活躍
仕事と職場と子育てと  「オーッ!」の声が聞きたくて  お絵描き進化形
お兄ちゃんはお兄ちゃん  「アムくん好き!」な女の子
あゆは成長していない、のか?  「就学猶予」ってご存知ですか?
五歳の術後健診  叱り方、どうしてます?  「死」を伝えたい
ハンパな理解が笑えます  お手伝いしたんだー  お世話になりました
大切な食事の時間

3章 小学生のプライド
美術館に行こう!  衣食足りて親となる  あゆのプライド
こんなはずでは……  子どもって、役立たず!  公平なルールってなんだろう
心の成長  「怒る」技術  興奮がビシビシ伝わる!  育てさせてもらってる、のかも
やっぱり夫婦で  未来のキミに会いました  お兄ちゃん、やめる……
おかげさま、です  切なくなるの、まずくない?  妻とのこと
‡「まぁ、いっか!」広岡ひろみ

4章 はっきり見える自己主張
失敗でつく「力」  ひとり暮らしへの道  春のお勉強週間
大物、なのか?  HAPPYな誕生日  0点の気持ち
U・S・A事件  卓球部と友達のこと  ダンスでおもてなし
いざ六本木へ、お仕事見学!  高校選びは、未来の選択か
親亡き後の自立  とうちゃん飲み過ぎ! しっかりしてよ(笑)
優生思想と障害者同士の結婚・出産

おわりに


【著者略歴】
1973年生まれ、5人兄弟妹の長男。1998年一橋大学卒業、同年、川崎市役所に入庁。生活保護や児童虐待対策などの福祉分野と、ロケ誘致、シティープロモーションなどの広報系分野に携わり、2020年4月より、健康福祉局で災害対策・コロナ対策を担当。ダウン症児の長男が活動するダンス教室では、運営母体のNPO法人の運営にも関わる。次男が生まれたときに、3か月間の育休を取得。妻は大学時代の同級生。3児の父親。趣味はテニス。

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