美術造形・美術史
村田和義【著】 ISBN: 9784905913221 [B5判上製函入]210p 27cm (1986-01出版) 定価=本体6400円+税
福島県中通り地区に分布する浮彫弥陀三尊来迎石仏群は、関東の青石板碑群や播磨の石棺仏などと共に、その造形の美しさにおいて、中世の石像文化財のなかでもひときわ優れたものである。また、中世武士団の展開や在地名主層の活動などが、その宗教観の表現として具象化され、形跡をたどることができる点においても、貴重な歴史資料となっている。 現存する弥陀三尊来迎石仏群の全基について写真と実測図、銘文と解説を付し、主だったものには拓影をも掲げて、歴史資料として活用するための基礎文献となるよう努めるとともに、その造形美をグラビア印刷によって観賞できるようにまとめたものである。 ◎体裁◎ グラビア図版40頁/総論および各論168頁/府・一覧表と所在地図。収録写真202葉。実測図他149点。拓影59点。
【主な目次】 序― 浮彫阿弥陀三尊来迎塔婆の思い出(郡山地方史研究会会長 田中正能)グラビア図版 総論― 福島県の地勢と石造美術/中通り地区の弥陀三尊来迎石仏/全国における来迎石仏・板碑の状況/福島県中通り地区の分布と造像形式/来迎石仏・板碑の製作年代/念仏行者を伴う来迎石仏・板碑/浄土教信仰と浄土教美術/来迎石仏の研究と課題 各論― 信夫郡/安達郡/安積郡/岩瀬郡/西白河郡/石川郡/県外流出の来迎石仏/独尊の来迎・板碑 あとがき/福島県中通り地区所在の弥陀三尊来迎石仏・板碑一覧表/同郡別所在地図
【著者の本】 本書以後、私家版で『北海道・東北地方の来迎板碑』(1996)、『下総の板碑』(編、1998)、『叡福寺の石造美術』(2001)、『北関東三県茨城県・栃木県・群馬県の弥陀図像板碑』(2003)、『中世人の祈り:「東国の図像板碑」拓本展図録』(編、2006)、『埼玉県北西部の図像板碑』(2008)などを刊行。歴史考古学研究会会員。