表象交通論/美術造形・美術史
エルヴィン・パノフスキー Panofsky,Erwin【著】 /織田春樹【訳】/永澤 峻【解説】 ISBN: 4862090036 [A5判上製]345p+図版199点 21cm (1985-06-27出版) 定価=本体7600円+税
◆ヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノが開いた色彩表現と絵画形象=イコンの窓からの眺望。イコノロジー研究によって、美術史のみでなく人文科学全体に深甚な影響を与えたパノフスキーが、最後の著作に託した〈芸術形象の問題圏〉を語る名著の完訳。 ◆一人の画家の作品史を人類の表現史のうちにどう位置づけ、その価値と時代的意味をいかに捉えるか。パノフスキーは生涯をつうじた美学とイコノロジーへの研鑽を、このルネサンス期の巨匠の生涯と作品を扱うなかで融合させ、これらの問いに答えようと試みている。
【目次】 序文 一章 序説 二章 聖書、聖人伝にまつわる諸問題 三章 対位法的手法――偽装された中世と古代の定型表現 四章 「時」について 五章 「愛」と「美」について 六章 ティツィアーノとオウィディウス 補論 1.書誌について、2.ティツィアーノの生年の問題、3.カドーレの戦い、4.ティツィアーノとザイゼネッガー、 5.皇后イサベラの肖像画、6.《「信仰」の寓意》、7.ルーヴル美術館の《パルドのウェヌス》 本文註/テキスト解題 永澤峻/訳者あとがき/モノクロ写真図版(199点)/人物・事項索引、ティツィアーノ作品索引
【著者紹介】 エルヴィン・パノフスキー(1892~1968年) ドイツ出身のアメリカ合衆国の美術史家。図像解釈学(イコノロジー)研究の創始者。 1914年、デューラーの芸術理論研究でフライブルク大学から学位を受ける。192年からハンブルク大学教授。エルンスト・カッシーラーやアビ・ヴァールブルクと交流を持った。1931年からニューヨーク大学を経て、のちプリンストン高等研究所教授となった。
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