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既 刊

中国文化の深層へ/ 文化人類学・民族学・民俗学・歴史人類学/ 考古学系/ 美術造形・美術史/ 歴史系/ 神話・宗教系

神々の発光 カミガミのハッコウ―チュウゴクシンセッキジダイ
コウザンブンカギョツキゾウケイ[1923-37ネンシュウシュウ]

●神々の発光
 ―中国新石器時代紅山文化玉器造形
 [1923-37年収集]

篠原 昭・島 亨
篠原 昭 シノハラ アキラ・島 亨 シマ トオル 【編著】
ISBN: 9784862090454
[A4判並装]304p 29.7cm
カラー図版編136頁、収
録玉器造形476点 (収録図版724点)
研究・解説頁168頁、モノクロ挿図247点
東京山羊舎 発売元・言叢社
(2013-09-01出版)
定価=本体9333円+税

中国東北部、新石器時代 紅山文化(約6700~4900年前)系造形の精粋〈収録玉器476点〉
●1923-37年に収集された収蔵家資料の初公開。
●「霊物」、副葬玉器、灶神―「女神(人)像」、「獣仮面装着神人像」にみる生命観、祭祀・儀礼の表現など、中国東北部に栄えた遼河文明、紅山文化系玉器の造形表現の特質を解明するとともに、
●「楊柳・箕信仰」の展開、「猪龍表象」の「饕餮・虎表象」への変容などの解析を通して、中国新石器社会から商殷・周社会が成立する精神文化転換の様相を明らかにする図録及び解説・論集。
●紅山文化造形と対比することで、
新石器文化「縄文文化造形」の特質をも照らし出す。

図版041
玦形玉龍部分、熱河省史家営子、高さ30.3cm、左右17.6cm、厚さ3.8cm。下部に圓紋が集中し、圓紋の中に絵画様のものがある。絵画様の線痕は圓紋外部にはなく、意図的に「龍の鱗」をあらわした紋章的表現であろう。

【おもな目次】
  篠原 昭
《図版》
1.紅山文化造形の双極―プリミティヴな形態生成と玉器造形の精粋
 1-1.初期板形制玉 鉞・刀子造形
 1-2.極薄制玉の玉牌飾等各種
 1-3.圓紋の特異な芸術表現展開
 1-4.主要な規範的制玉
  (1)玦形玉龍(玉猪龍)とその変容/(2)C形玉龍とその変容、泥鰍玉龍/(3)斜口筒形玉箍(玉冠)/(4)玉鏇璣(=璇転モチーフ)
 1-5.女性裸像・女陰像、男性裸像・男根像、男女対像
 1-6.仮面形玉と仮面装着神人像
 1-7.主要な神人像(半獣半人像)
  (1)牛首神人像/(2)昆虫首神人像/(3)鳥神人像(4)玦形龍・鳥龍と人との複合像
 1-8.生き物の幼生をしめす直截な表現例
 1-9.人獣身体とモチーフ
  (1)食らうモチーフ/(2)魚・亀=潜水モチーフと羽=飛翔モチーフ
 1-10.多重視線複合像
2.紅山文化造形の諸形象―多様な動物形象および規範的制玉
 2-1.幼生・他界性をもつ生き物
 (1)玉蟬/(2)玉蛹/(3)玉鴞/(4)玉鳳、その他の玉鳥/(5)玉熊/(6)玉魚・玉貝/(7)玉亀鼈、玉甲/(8)玉鼠・玉兎・齧歯類/(9)玉狐/(10)玉羊/(11)一角獣/(12)玉象・玉蛙・玉鰐/(13)玉蝙蝠・玉蜘蛛/(14)玉蝶/(15)玉(飛)蝗・玉蜻蛉・玉蟷螂/(16)玉蜂・ほか
 2-2.規範的制玉(礼玉・祭玉ほか)
  (1)三孔器/(2) 玉権杖(Y形玉器)/(3)さまざまな璧形玉/(4)琮形玉(筒形器)/(5)玉鉞・玉斧/(6) 玉亀鏡・櫛形玉/(7)稜線紋(瓦溝紋)弧形玉器/(8)その他の玉牌飾/(9)玉磬上の浮彫画/(10)良渚文化と相関する玉器
 2-3.人頭玉  150
3.通遼系玉器群―文字記号と器物造形をもつ
 3-1.文字記号をもつ通遼系玉器
 3-2.器物系の多様な造形
 3-3.文字記号入り、その他の器物
〈参考〉歴史時代の紅山文化系玉器
《研究》
神々の発光  篠原 昭
動物玉器の変移考察  篠原 昭
 ◆紅山文化玉器の時代色について(浸蝕色)/◆猪龍の龍形の原始的考察/◆C形龍の原始形/◆勾雲形玉佩飾についての考察/◆太陽神について/◆玉皿について/◆玉勾刀形翼女神像(熱河省下窪南出土)について/◆紅山文化の玉器における結縄記事法の考察/◆(露)C. B. アルジン「紅山文化玉の昆虫学的鑑証」(訳)

左から  図版038 玉魚、全面に圓紋、赤峰小河沿北、左右22.7cm。意図的に魚の鱗のように造形されている。/ 図版001 鳥形玉刀、赤峰小河沿北、左右29.3cm。/ 図版094 C形玉龍、阜新泡子(西)、高さ28cm、左右28cm、厚さ3.8cm、穴下の胴まわり11.5cm。/ 〈表紙おもて〉図版017 勾雲形玉佩飾、阜新泡子出土、高さ9.8cm、左右26.8cm。紅山文化玉器中でも最高の造形の一つ。

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《解説》  島 亨
第一部 紅山文化造形の発現
1.紅山文化概説  (1)知られざる遼河文明/(2)紅山文化の発見/(3)戦後の紅山文化認識の進展―文化期先後の確立と女性塑像・玉器文化の発現
2.紅山文化玉器概説
 (1)牛河梁遺跡群の発現と紅山玉器文化/(2)省研究所、博物館、文物店に収蔵されていた紅山文化玉器/(3)祭祀性の強い紅山文化玉器のゆくえ―欧米蔵・紅山文化玉神人像の発現/(4)祭祀系玉器の二つの源泉―灶神(炉の神)祭祀と女神廟祭祀
3.収蔵品の来歴についての考察
 (1)本図録収蔵品の来源と価値について/(2)収集品の来源が戦前であることの証明
第二部 収録玉器造形の解説
1.紅山文化造形の双極―プリミティヴな形態生成と玉器造形の精粋
1-1.初期板形制玉―鉞・刀子造形/1-2.極薄制玉の玉牌飾等各種/1-3.圓紋の特異な芸術表現展開/1-4.主要な規範的制玉/1-5.女性裸像・女陰像、男性裸像・男根像、男女対像/1-6.仮面形玉と仮面装着人像/1-7.主要な玉神人像/1-8.生き物の幼生をしめす直截な表現例/1-9.人獣身体とモチーフ/1-10.多重視覚複合像
2.紅山文化造形の諸形象―多様な動物形象および規範的制玉
 2-1.幼生・他界性をもつなどの動物玉/2-2.規範的制玉(礼玉・祭玉ほか)/2-3.人頭玉
第三部 通遼系器群ほか―文字記号と多くの器物造形をもつ
 3-1.文字記号をもつ通遼系玉器/3-2.器物系の多様な造形/3-3.その他の通遼系玉器
〈付〉歴史時代の紅山文化系玉器
第四部 まとめ
1.収録文物の制作時期を「造形の流れ」からみる
 1-1.女性裸像の造形の流れ/1-2.仮面仮装の造形の流れ/1-3.「食らうモチーフ」をめぐる造形の流れ/1-4.生き物の「生成・転生」をあらわす「造形の流れ」/1-5.多重視線重複像の「造形の流れ」
2.動物と人間、霊物、トーテム(紋章)、威徳(プレステージ)
〈補註1〉「柳筥(箱)」について/〈補註2〉『牛河梁紅山文化遺址発掘報告』の刊行
《対話》
玉器造形研究の対話の中から  篠原 昭・島 亨
 ◆対話(一)―『山海経』をめぐって/◆対話(二)―解説で書かれていないこと/◆対話(三)―対の男女神人像と「遘合(みとのまぐはひ)」/◆対話(四)―通遼系玉器群と文字記号
文献

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〈表紙うら〉図版238 翼をもち両手で乳房を支える女性裸像、熱河省下窪南出土、高さ27cm、上幅7.5cm、下幅6.0cm、身体奥行7cm。

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