中国文化の深層へ/ 文化人類学・民族学・民俗学・歴史人類学/ 考古学系/ 美術造形・美術史/ 歴史系/ 神話・宗教系
篠原 昭・島 亨 篠原 昭 シノハラ アキラ・島 亨 シマ トオル 【編著】 ISBN: 9784862090454 [A4判並装]304p 29.7cm カラー図版編136頁、収録玉器造形476点 (収録図版724点) 研究・解説頁168頁、モノクロ挿図247点 東京山羊舎 発売元・言叢社 (2013-09-01出版) 定価=本体9333円+税
図版041 玦形玉龍部分、熱河省史家営子、高さ30.3cm、左右17.6cm、厚さ3.8cm。下部に圓紋が集中し、圓紋の中に絵画様のものがある。絵画様の線痕は圓紋外部にはなく、意図的に「龍の鱗」をあらわした紋章的表現であろう。
【おもな目次】 序 篠原 昭 《図版》 1.紅山文化造形の双極―プリミティヴな形態生成と玉器造形の精粋 1-1.初期板形制玉 鉞・刀子造形 1-2.極薄制玉の玉牌飾等各種 1-3.圓紋の特異な芸術表現展開 1-4.主要な規範的制玉 (1)玦形玉龍(玉猪龍)とその変容/(2)C形玉龍とその変容、泥鰍玉龍/(3)斜口筒形玉箍(玉冠)/(4)玉鏇璣(=璇転モチーフ) 1-5.女性裸像・女陰像、男性裸像・男根像、男女対像 1-6.仮面形玉と仮面装着神人像 1-7.主要な神人像(半獣半人像) (1)牛首神人像/(2)昆虫首神人像/(3)鳥神人像(4)玦形龍・鳥龍と人との複合像 1-8.生き物の幼生をしめす直截な表現例 1-9.人獣身体とモチーフ (1)食らうモチーフ/(2)魚・亀=潜水モチーフと羽=飛翔モチーフ 1-10.多重視線複合像 2.紅山文化造形の諸形象―多様な動物形象および規範的制玉 2-1.幼生・他界性をもつ生き物 (1)玉蟬/(2)玉蛹/(3)玉鴞/(4)玉鳳、その他の玉鳥/(5)玉熊/(6)玉魚・玉貝/(7)玉亀鼈、玉甲/(8)玉鼠・玉兎・齧歯類/(9)玉狐/(10)玉羊/(11)一角獣/(12)玉象・玉蛙・玉鰐/(13)玉蝙蝠・玉蜘蛛/(14)玉蝶/(15)玉(飛)蝗・玉蜻蛉・玉蟷螂/(16)玉蜂・ほか 2-2.規範的制玉(礼玉・祭玉ほか) (1)三孔器/(2) 玉権杖(Y形玉器)/(3)さまざまな璧形玉/(4)琮形玉(筒形器)/(5)玉鉞・玉斧/(6) 玉亀鏡・櫛形玉/(7)稜線紋(瓦溝紋)弧形玉器/(8)その他の玉牌飾/(9)玉磬上の浮彫画/(10)良渚文化と相関する玉器 2-3.人頭玉 150 3.通遼系玉器群―文字記号と器物造形をもつ 3-1.文字記号をもつ通遼系玉器 3-2.器物系の多様な造形 3-3.文字記号入り、その他の器物 〈参考〉歴史時代の紅山文化系玉器 《研究》 神々の発光 篠原 昭 動物玉器の変移考察 篠原 昭 ◆紅山文化玉器の時代色について(浸蝕色)/◆猪龍の龍形の原始的考察/◆C形龍の原始形/◆勾雲形玉佩飾についての考察/◆太陽神について/◆玉皿について/◆玉勾刀形翼女神像(熱河省下窪南出土)について/◆紅山文化の玉器における結縄記事法の考察/◆(露)C. B. アルジン「紅山文化玉の昆虫学的鑑証」(訳)
左から 図版038 玉魚、全面に圓紋、赤峰小河沿北、左右22.7cm。意図的に魚の鱗のように造形されている。/ 図版001 鳥形玉刀、赤峰小河沿北、左右29.3cm。/ 図版094 C形玉龍、阜新泡子(西)、高さ28cm、左右28cm、厚さ3.8cm、穴下の胴まわり11.5cm。/ 〈表紙おもて〉図版017 勾雲形玉佩飾、阜新泡子出土、高さ9.8cm、左右26.8cm。紅山文化玉器中でも最高の造形の一つ。
《解説》 島 亨 第一部 紅山文化造形の発現 1.紅山文化概説 (1)知られざる遼河文明/(2)紅山文化の発見/(3)戦後の紅山文化認識の進展―文化期先後の確立と女性塑像・玉器文化の発現 2.紅山文化玉器概説 (1)牛河梁遺跡群の発現と紅山玉器文化/(2)省研究所、博物館、文物店に収蔵されていた紅山文化玉器/(3)祭祀性の強い紅山文化玉器のゆくえ―欧米蔵・紅山文化玉神人像の発現/(4)祭祀系玉器の二つの源泉―灶神(炉の神)祭祀と女神廟祭祀 3.収蔵品の来歴についての考察 (1)本図録収蔵品の来源と価値について/(2)収集品の来源が戦前であることの証明 第二部 収録玉器造形の解説 1.紅山文化造形の双極―プリミティヴな形態生成と玉器造形の精粋 1-1.初期板形制玉―鉞・刀子造形/1-2.極薄制玉の玉牌飾等各種/1-3.圓紋の特異な芸術表現展開/1-4.主要な規範的制玉/1-5.女性裸像・女陰像、男性裸像・男根像、男女対像/1-6.仮面形玉と仮面装着人像/1-7.主要な玉神人像/1-8.生き物の幼生をしめす直截な表現例/1-9.人獣身体とモチーフ/1-10.多重視覚複合像 2.紅山文化造形の諸形象―多様な動物形象および規範的制玉 2-1.幼生・他界性をもつなどの動物玉/2-2.規範的制玉(礼玉・祭玉ほか)/2-3.人頭玉 第三部 通遼系器群ほか―文字記号と多くの器物造形をもつ 3-1.文字記号をもつ通遼系玉器/3-2.器物系の多様な造形/3-3.その他の通遼系玉器 〈付〉歴史時代の紅山文化系玉器 第四部 まとめ 1.収録文物の制作時期を「造形の流れ」からみる 1-1.女性裸像の造形の流れ/1-2.仮面仮装の造形の流れ/1-3.「食らうモチーフ」をめぐる造形の流れ/1-4.生き物の「生成・転生」をあらわす「造形の流れ」/1-5.多重視線重複像の「造形の流れ」 2.動物と人間、霊物、トーテム(紋章)、威徳(プレステージ) 〈補註1〉「柳筥(箱)」について/〈補註2〉『牛河梁紅山文化遺址発掘報告』の刊行 《対話》 玉器造形研究の対話の中から 篠原 昭・島 亨 ◆対話(一)―『山海経』をめぐって/◆対話(二)―解説で書かれていないこと/◆対話(三)―対の男女神人像と「遘合(みとのまぐはひ)」/◆対話(四)―通遼系玉器群と文字記号 文献
〈表紙うら〉図版238 翼をもち両手で乳房を支える女性裸像、熱河省下窪南出土、高さ27cm、上幅7.5cm、下幅6.0cm、身体奥行7cm。