随筆・小説・歌集・俳句集
熊谷雄二 クマガイユウジ【著】 ISBN4‐905913‐90‐X [四六判上製]198p (2003-10-13発行) 定価=本体1238円+税
◆都市デザインに「こどもの目」を入れようという先駆的提起とともに、水門頭頂部に「ぶどう・なし・もも」の美しい装飾をもつ川崎河港水門(昭和3年完成、設計者・金森誠之)ができあがる経緯を丹念に掘り起こした著者の仕事は高く評価されている。
【目次】 こころの空き地―都市と「こどもの目」序説 壱 「こどもの目」からみた都市計画 ヨーロッパにみる子どものためのまちづくり思想 木煉瓦と石に寄せて 「車椅子の村」とこれからの福祉 弐 都市の装置…川崎河港水門 あいだに:「木遣り」より 参 映像で拓く「地方の時代」 能楽堂における新しい模索 ながいあとがき
【著者紹介】 熊谷雄二(1984~2015年) 地方行政・都市計画の実務者として、『こどもの目―かわさき都市計画』の冊子を刊行し、都市計画デザインに「子どもの目」の視点を導入することの必要性を提起、大きな反響を呼んだ。さらに、冊子『女の目』を刊行、つづけて冊子『老人の目』『障害者の目』を合わせた四部作となることを計画したが実現できなかった。だが、どこの実務を担当してもそのまなざしは一貫して都市計画・地域行政に関わる課題を追求し、職務のかたわらに文章を書き綴ってきた。「川崎河港水門」の設計者を追って、その都市遺産としての価値を明らかにした仕事もこうした関心の中から生まれた文章の一つである。やわらかいユーモアをこめた短文など、その折々に綴ったエッセーは、ゆとりのあるまなざしを持ち持続して課題を追及することがいかに都市行政・地域行政に必要かをたくまず語るものとなっている。 ほかに、『こころも歩く―世界紙篇紀行』(2015年7月刊、言叢社制作)がある。