●身体・歴史・人類学 Ⅰ アフリカのからだ ●身体・歴史・人類学 Ⅱ 西欧の眼 ●身体・歴史・人類学 Ⅲ 批判的人類学のために
現代思想/ 文化人類学・民族学・民俗学・歴史人類学/ 現代社会・制度
渡辺公三 ワタナベコウゾウ【著】 ISBN: 9784862090300 [四六判上製]464p 19cm (2009-07-14発行) 定価=本体3200円+税
征服者コロンブスを糾弾し、告白を武器として戦ったラス・カサス。 先住民の土地の自由な剥奪を賭けて戦われたアメリカ独立革命。 植民者たちに抹殺されたコンゴ独立のリーダー、ルムンバ。 人類学は「西欧の眼」のなかで育ちつつ、どれだけ西欧自身を対象化しえてきたのか。 いかに人類学は、人間存在の“今”を照らし出す想像力を獲得しうるのか。
【主な目次】 Ⅰ=1.ナショナリズム・マルチナショナル・マルチカルチュラリズム―多文化主義の歴史的文脈 2.ザイールの崩壊からコンゴ民主共和国へ―「国家建設」は追求されたのか 3.パトリス・ルムンバ―ひとりの「開化民」の生成と消失 Ⅱ=4.神判の解体―アフリカにおける妖術現象の歴史民族学への一視点 5.歴史人類学の課題―ヒストリアとアナール派のあいだに 6.構造と歴史―サーリンズの歴史は構造を超えたか Ⅲ=7.両義的西欧と「近代」への問い―ルイ・デュモン『個人主義論考』の余白に 8.一九世紀のフランス市民社会と人類学の展開―共和主義と人種 9.個体の倒錯図法へのノート―A・ペルティヨンと人類学の世紀末 10.アメリカ人類学の発生現場を検証する―モーガンとインディアン「土地問題」へのメモ Ⅳ=11.古代文学と人類学―テクストからフィールドへ 12.ディディエ・アンジュー紹介―『皮膚‐自我』解説 13.幻想と現実のはざまのインセスト・タブー―フロイトからレヴィ=ストロースへ 14.マルセル・モースにおける現実と超現実―シュールレアリズムへ向けた人類学からのいくつかの断片