歴史系/地域史・地誌/随筆・小説・歌集・俳句集
徐 葆光 ジョホウコウ【著】 /原田禹雄 ハラダノブオ【訳注】 ISBN: 4-905913-06-3 C3021 [A5判上製函入り]398p 20cm (1982-06-20出版) 定価=本体6800円+税
明・清の二代にわたって、中国王朝が琉球国王を冊封した冊封使関係の書目は二十余に及ぶが、清朝康煕年間に派遣された冊封使・徐葆光の使録『中山傳信録』、李 鼎元の使録 『使琉球記』 は、その精緻さとその後の影響力において、最も価値ある秘録といってよいものである。沖縄を知ろうとする研究者は本著を避けて通ることはできない。十八世紀前半の沖縄をいきいきと描き出していて、それに匹敵する記載は、沖縄側にもこれだけまとまったものはない。そして、何よりも、徐葆光が沖縄の風土と人と芸能を愛していたことが、他の秘録にはみられぬ深みをもたらしている。本訳書は、訳者が多年にわたる沖縄診療のかたわら、精細な訳註をほどこしつつ、歌人としての文学的見識の総力をあげて、はじめて口語完訳をなしとげた成果である。
【目次】 『中山傳信録』について 原田禹雄 自序/序 汪士鋐 『中山傳信録』本文一~六 〈細目〉 一.封舟 渡海兵役 更 針路 前海行日記 歴次封舟渡海日期 風信 風暴日期 天妃霊応記 封舟が救われた霊験 諭祭文 春秋祀典疏 奏聞事項に関する礼部よりの伺書 二.封舟到港 天使館 天妃宮行香 中山先王廟 儀注 諭祭先王文 中山王府 儀注 冊封詔 賜勅 琉球国王印 中山王肄館儀杖 中秋宴 重陽宴 中山王謝恩表 又疏 貢物 又請存旧礼以労使臣疎 礼部の議決 三.中山世系 四.星野 潮 琉球三十六島 琉球地図 紀遊 五.官制 冠服 儀従 坐褥 氏族 取士 采地 田地 暦 礼儀 学 禅宗 僧禄 六.風俗 頂髪を剃る 五官正 屋舎 米廩 器具 女集 舟 轎 馬 長弓短箭 月令 物産 字母 琉球語 中山贈送詩文 後序 翁 長祚