地域史・地誌
清水武甲 シミズブコウ【著】 ISBN: [A5判]238p+図版24p (1979-09出版) 定価=本体3200円+税
風土のなかに生きるとは、どういうことなのか。著者はことばたちの息づかいのうちに、一つの生きさま、一つの態度のように、この問いをひそませた。この文集は、繰り返し見るという経験の積み重ねによって裏打ちされ、紡ぎ出されたやわらかくつよいことばたちの思念と詩である。
【目次】 Ⅰ 秩父の四季/蔭と襞の中に/秩父夜祭/奥秩父の祭と村踊/秩父ところどころ Ⅱ 秩父の風土と文化/武甲山と神奈備信仰/秩父浄土私考/三峰山記 Ⅲ あの頃のこと/浅見清一郎君のこと/想い出の人びと/私の健康法/秩父の自然保護/水を守るために原生林を
【著者紹介】 清水武甲(1913~1995年) 埼玉県秩父市生まれ。昭和2年、大宮尋常高等小学校卒業。16歳で家業の清水写真館を継ぐ。昭和12年、全日本写真連盟関東本部写真展に出品して、文部大臣賞受賞。昭和17年、毎日新聞主催の日本写真美術展にて、第二席受賞(第一席は入江泰吉)。昭和22年以後は、国画会写真部にて活躍。記録写真は昭和12年頃より始め、戦中、戦後と傾注を深める。秩父の風土、歴史、民俗の全てに一貫して写真のまなざしを据えつづけて、生涯を終えた。このため、秩父にかかわりのある対象があるばあいのほかは、秩父以外に対象をもとめることをみずからに禁じた。奥秩父山塊を渉猟し、写真家としてのみでなく、登山家としても知られる。国画会会員。全日本写真連盟本部委員、埼玉県文化団体連合会副会長、埼玉県美術協会副会長、埼玉県山岳連盟会長、秩父市文化財審議委員会委員長、秩父市自然保護委員会委員長、秩父市山岳遭難対策委員会委員長などを歴任。写真集に『秩父』、『秩父路』、『秩父多摩』、『奥秩父』、『秩父幻想行』(共著)、『写真集 秩父』、『秩父悲歌』、『秩父民俗』、『秩父山塊』、『秩父浄土』、『武甲山』、『秩父戦中の記録』、『三峰山』、『秩父祭』、『にんげん秩父』がある。