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既 刊

身体の思想/信と倫理の根源へ/養育論(心の発達と病理)・福祉論/現代思想/精神分析・心理・カウンセリング学系/実用書系

アイトイウユウキ
―ジコカンカンケイリロンニヨル セイシンリョウホウノリロントジッセン

●愛という勇気 
 ―自己間関係理論による精神療法の理論と実践
 〈新装版〉
THE COURAGE TO LOVE, PRINCIPLES AND PRACTICES OF SELF-RELATIONS PSYCHOTHERAPY

愛という勇気 ギリガン,スティーブン Gilligan,Stephen【著】
/崎尾英子【訳】
ISBN: 978-4-86209-027-0 C1011
[A5判]324p 21cm
(1999-09-03初版・2009-02-18再版)
定価=本体3800円+税

§「いないことにされた自分」をいかに発見して〈後見〉するのか
=西洋と東洋の智を綜合する「自己間関係理論」の確立。

 天才的な精神療法家エリクソンと革命的な認識家ベイトソンの薫陶を受けて、西洋と東洋の智を綜合する「自己間関係理論」を確立。
 ほんとうの自分とはどのようなものか、自分で自分を後見し開かれた心で生きるにはどうしたらよいかについて、〈自己後見の技術〉〈愛する勇気の技術〉を語るギリガンの主著完訳。“愛という勇気”によって自分と自分、自分と他者のあいだに、いかにしなやかで喜ばしい関係をきり拓いていけるかを語る。
 危機の時代のスーパーバイザーとして世界を駆けるアメリカの精神療法家ギリガンの主著完訳。

【目次】
1 原理 (内を流れる河― 関係を支える自分」の基本的前提;「差異」に払う関心と「差異」同士の関係―他者とどう付きあうのか;関係を支える自分―アイデンティティ、問題形成、問題解決)
2 実践 (追放からの生還―精神‐自然の調和のための訓練;技術としての愛情―後見の実践)
3 治療法 (関係性の修正―自己間関係理論による作業の原型;元型的自己―友だちからの少しの助けがあればやっていけるさ;治療的儀礼―新しいアイデンティティへの移行)

【著者紹介】
著者は、アメリカのカトリック系アイルランド移民の家系に生まれ、父のアルコール依存症と母の欝の影響に早くから苦しめられながら育った。
1977年にカリフォルニア大学で心理学学士号を取得。1983年にスタンフォード大学で心理学博士号取得。その過程で、20世紀最大の天才的催眠治療者といわれるミルトン・エリクソン博士と、精神の生態学によるダブル・バインド理論・学習理論を築いたグレゴリー・ベイトソンに師事。若くしてすでにエリクソン流催眠治療の最良の教師との評判を得ていたが、やがて〈自己間関係理論〉をたてる。ここには、エリクソンの催眠治療、合気道、仏教の教え、瞑想や表現芸術などが統合されている。とくに心-身の治癒に重点を置くことで知られている。

【訳者紹介】
崎尾英子(1949~2002年)
福岡県生まれ。国際基督教大学、東京慈恵会医科大学卒業。専攻は精神医学、児童青年精神医学。国立小児病院精神科医長を経て、「さきお英子子ども心のクリニック」を開く。

【書評】
(芹沢俊介/産経新聞 1999.10.10)
「子ども時代に親や教員などによって支持的後見、すなわち生誕の祝福からはじまるあなたはあなたのままでいいんだよというメッセージ、私たちの言葉でいえば『肯定的な受けとめ』を経験してこなかったり、逆に虐待、体罰、無視・無関心、おまえはだめ人間だというメッセージ等の否定的後見を経験して育った場合、その人はおうおうにして自分で自分を後見する能力が育っていない。自己後見能力が育っていないと、些細なことがすぐに生き難さに結びつく。したがって……治療の根幹は、彼らにとって支持的後見者になること、彼らのなかに自己後見能力が育つのを援助することである。ここに記述されているのは、新しい精神療法の理論と実践である。」

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