養育論(心の発達と病理)・福祉論
宮内眞治 ミヤウチシンジ【著】 ISBN: 4905913837 [四六判並製]242p 20cm (2002-09-24出版) 定価=本体1905円+税
【主な目次】 1 終わりからのまなざし(取り残される情景/まなざしの物語/まなざしの段階論/まなざしのおくれについて) 2 おくれの時空の浮遊論(ある絵の体験―「ちえ」の話/ばるこく ばららげ/時空論/浮遊論) 3 おくれの中の性格論(クルト・シュナイダーと「ちえおくれ」/宮沢賢治『土神ときつね』/性格の核―吉本隆明・ライヒの性格論/性格のもう一つの核―ラカンによる《死》/性格論の境界―おくれの中の性格論) 4 物語の交換論(『虎十公園林』/「足らないもの」/物語の交換/ある倫理/ある検証)5 物語の先へ(物語の条件/フィクションの働きとは何か?/Fの物語/読めない文字の物語/おくれるものの物語) 付論ノート1 一者論―「自己」の発達と「一者」について(「自己」の発達について/一者について)/付論ノート2 まなざしの中心の動力とは何か?(欲望のまなざし/闇のまなざし/まなざしの中心の動力/まなざしの動力の奥)/付論ノート3 もう一つの終わりからの物語
【著者紹介】 宮内眞治(1951年~) 愛媛県生まれ。東北大学経済学部卒業。1982年より養護学校教員。
【書評】 (芹沢俊介氏推薦) 「養育の基本はなにか。この本に即して言い換えれば、『おくれ』と呼ばれる性格や症状が子どもたちのなかでゆっくりとひとりでに癒えていくために何が不可欠か。子どもたちの『隣にいようとする人』の存在である、と著者は答える。宮沢賢治がデクノボーと名づけた、その隣にいようとする大人に著者はなりたいというのである」 (春日武彦/産経新聞 2002.11.10) 「[著者の]悪戦苦闘にこそ誠意があり可能性が潜む」