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既 刊

現代思想/現代社会・制度/身体の思想

ショウゲントコウサツ ヒサイトウジシャノシソウトカンキョウリンリガク
フクシマゲンパツカコクジコノケイケンカラ

●〈証言と考察〉 被災当事者の思想と環境倫理学
福島原発苛酷事故の経験から

山本剛史 ヤマモトタカシ【編・著】
ISBN: 978-4-86209--090-4
C0036 ¥3364E
[A五判並装]
520頁
天地210mm×左右148mm× 束(厚さ)27.0mm
重量540g
(2024-04-10出版)
定価=本体3,364円+税【3,700 円(税10%込)】

全村避難

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◆東日本大震災から13年。福島原発事故は終わっていない。
被災当事者から学び、倫理学の知を再構成する。
市井の知と倫理思想の相互往復から形作られる環境倫理学。


◆福島第一原発の事故は、人間の日常生活そのものが、人間自身の力で、自らを滅亡させる力をもった科学技術に依存していることを如実に示す出来事であった。

 第一部は、原発被災経験の風化に抗して立ち上がった被災当事者たちの「いのちを支え合う」活動の証言を収録。
 第二部は、その証言の根底に流れる思想と交差させながら、科学的合理性と社会的合理性の葛藤から、新たに生まれ出る環境倫理学のあり方について、W・ベック「リスク社会論」とH・ヨナス「未来倫理」を参照し、考察する。原発事故後の環境倫理をになう主体は誰なのか。その主体となる者たちの行動を通し、今日のリスク社会を生きるうえで欠かせない行動規範を考える。

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【主な目次】
巻頭フルカラー口絵 石丸小四郎 講演スライド

〔第一部 証言〕(聞き手:熊坂元大・小松原織香・吉永明弘・山本剛史)
1章 フクシマ原発労働者相談センター 苛酷事故にみまわれた――あれから八年、福島の過去・現在・未来
〈追補〉二〇一九年以降の福島第一原発の問題―汚染水とその処理を巡って 石丸小四郎 2章 いわき放射能市民測定室たらちね 広がり続ける被ばくへの対処――内部被ばく・食物汚染の測定からはじまった市民活動
3章「希望の牧場・ふくしま」吉澤正巳 希望とは何か 実力とは何か──原発を乗り越えて生きるために
4章 井戸川克隆・セルフインタビュー 立地自治体は福島第一原発事故の教訓を生かせ! もどる 〔第二部 考察:福島第一原発事故と環境倫理学〕山本剛史
1章 あらためて問う、環境倫理学は誰のためのものか
2章 原発事故被災状況下におけるICRPの生命・環境倫理
3章 ICRP「最適化」原則にかわる新しい環境倫理学の視座
4 章 ハンス・ヨナスの「未来倫理」

【著者プロフィール】
山本剛史(やまもと・たかし)
一九七二年生まれ。慶應義塾大学教職課程センター他非常勤講師。

【第一部 聞き手】
熊坂元大(徳島大学大学院社会産業理工学研究部准教授)
小松原織香(東北大学大学院文学研究科准教授)
吉永明弘(法政大学人間環境学部教授)

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