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既 刊

●身体・歴史・人類学 Ⅰ アフリカのからだ
●身体・歴史・人類学 Ⅱ 西欧の眼
●身体・歴史・人類学 Ⅲ 批判的人類学のために

表象交通論/身体の思想/現代思想/ 文化人類学・民族学・民俗学・歴史人類学



●身体・歴史・人類学 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ

Ⅲ 批判的人類学のために

渡辺公三 ワタナベコウゾウ【著】
ISBN: 978-4-86209-070-6 C3039 ¥3518E
[四六判上製]520p 18.8cm
(2018-09-04発行)
定価=本体3518円+税

§マルセル・モースからレヴィ=ストロースにいたる人類学に、個体と集団の「幸福への思考」の大切な筋道をたどろうとしてきた著者の、早すぎる遺作となった第Ⅲ論文集。

 序 不肖の隠し子からの手記―族的範疇の可能性
 Ⅰ 身体・歴史―国民国家と個体認証
 Ⅱ 歴史・人類学―マルセル・モースの「幸福への意志」をかんがえる
 Ⅲ レヴィ=ストロースの方へ―個体を超える「他者」と「他者の思考」にいかに相対するか

●渡辺公三論文集 既刊(いずれも2009年に刊行されています。合わせてご覧ください)
『身体・歴史・人類学Ⅰ アフリカのからだ』
『身体・歴史・人類学Ⅱ 西欧の眼』
●作業を重ねながら著者の思考を読み解いてみると、「身体」を基軸に据え、「野生の人類社会」から「近代国民国家」までを射程とする概念のトリアーデを論文集のタイトルとした構想の大きさに改めて気づかされる。

人類の幸福への意志に研究の根幹を据えたモース人類学の系譜と、その正統を伝える。
 いかなる社会においても、それが社会である限り「秩序、平和、安全、自由といった集合的観念が」「社会の連続性と安定性と内的、意識的組織を可能に」している。それは言い換えれば、彼らには彼らの仕方での「幸福への意志」が社会の連続性と安定性の礎となっていることの確認ではないだろうか。しかし、異なる社会においては、それらは「神話や儀礼や慣習や日常動作」によって間接的な仕方で表現されている。調査者は、その間接的な表現に眼を眩まされることなく、人間社会のリアリティーを見、聴きとらなければならない。(本書「モース人類学あるいは幸福への意志」より)

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【主な目次】
序にかえて 不肖の隠し子からの手記―族的範疇の可能性

Ⅰ 身体・歴史
 Ⅰ―1 指紋の社会思想史―ライプニッツからキパンデへ
 Ⅰ―2 犯罪者の顔写真と指紋
  コラム◎所属・規律・身体
 Ⅰ―3 人類学の知と植民地支配の技術
      ―一九世紀西欧から「満洲国」へ
 Ⅰ―4 国民国家批判としての文明論
 Ⅰ―5 バントゥ・アフリカ
  1.バントゥ・アフリカの広がりと移動/2.バントゥ集団の多様化/3.大西洋岸諸社会の動態:コンゴ王国とその周辺/4.内陸サバンナの動態:クバ王国、ルバ‐ルンダ王国群/5.移動する社会―カメルーン、ガボンのファン系集団

Ⅱ 歴史・人類学
 Ⅱ―1 パリ人類学会―帝政から共和制への変化のなかで問われた「人間」とは
 Ⅱ―2 マルセル・モース―快活な社会主義人類学者の肖像
 Ⅱ―3 モース人類学あるいは幸福への意志
 Ⅱ―4 レヴィ=ストロースからマルセル・モースへ―自然・都市・協同組合
 Ⅱ―5 モースにおけるマナそしてあるいは循環する無意識
      ―「モースの呪術論」への素描
  古典紹介◎モーガン、L『古代社会』
  書評◎異貌のユートピア――オナイダ・コミュニティの複合婚実験
  古典紹介◎モース、マルセル『贈与論』
  コラム◎モース、マルセル

Ⅲ レヴィ=ストロースの方へ
 Ⅲ―1 世界はリズムに満ちている
 Ⅲ―2 もうひとつの豊かさの思考
      ―レヴィ=ストロース生誕一〇〇年シンポジウムに向けて
 Ⅲ―3 エピグラフの楽しみ―『食卓作法の起源』を読みながら
 Ⅲ―4 書評『ブラジルへの郷愁』
 Ⅲ―5 知の巨星、レヴィ=ストロース
  1.はじめに―哲学とは異なった問いへ/2.体験から構造へ―『親族の基本構造』まで/3.神話論理への模索―『野生の思考』に向かって/4.結び―『神話論理』における世界との交歓
 Ⅲ―6 『神話論理』の反言語論的転回
      ―一九五〇年代のレヴィ=ストロースの人類学的探究
 Ⅲ―7 冷戦期における構造の生成―レヴィ=ストロースの探究
 Ⅲ―8 『やきもち焼きの土器つくり』訳者あとがき
 Ⅲ―9 『神話論理Ⅲ 食卓作法の起源』訳者あとがき
 Ⅲ―10 『神話論理Ⅳ 裸の人』訳者あとがき
 Ⅲ―11 『大山猫の物語』訳者あとがき
  コラム◎構造主義
  古典紹介◎『野生の思考』

【著者紹介】
渡辺 公三 1949年、東京生まれ。東京大学大学院博士課程修了。国立音楽大学助教授、立命館大学文学部教授を経て、立命館大学大学院先端総合学術研究科教授、立命館大学副学長、学校法人立命館副総長、立命館西園寺塾塾長を歴任。博士(文学)。2017年12月16日逝去。
著書: 『司法的同一性の誕生』(言叢社、2003)、『レヴィ=ストロース―構造』(講談社、1996; 2003)、『アフリカンデザイン―クバ王国のアップリケと草ビロード』(共著、里文出版、2000)、論文集『身体・歴史・人類学Ⅰ・Ⅱ・』(言叢社、2009年)、『闘うレヴィ=ストロース』(平凡社新書、2009年)、『多文化主義・多言語主義の現在―カナダ・オーストラリア・そして日本』(共編著、人文書院、1997)、『アジアの多文化社会と国民国家』(共編著、人文書院、1998)、『世紀転換期の国際秩序と国民文化の形成』(共編著、柏書房、1999)、『文化人類学文献事典』(共編著、弘文堂、2004)、『レヴィ=ストロース『神話論理』の森へ』(共編著、みすず書房、2006)、『マルセル・モースの世界』(モース研究会著・共編著、平凡社新書、2009年)、『日本における翻訳学の行方』(共編著、生活書院、2010)、『異貌の同時代―人類・学・の外へ』(退職記念論文集、共編著、以文社、2017年)。
訳書:レヴィ=ストロース『現代世界と人類学―第三のユマニスムを求めて』(川田順造との共訳、サイマル出版会、1988)、同『やきもち焼きの土器つくり』(みすず書房、1990)、同『神話論理Ⅲ・Ⅳ-2』(共訳、みすず書房、2007・2010)、同『大山猫の物語』(監訳・共訳、みすず書房、2016)、ルイ・デュモン『ホモ・ヒエラルキクス』(共訳、みすず書房、2001)、同『個人主義論考』(共訳、言叢社、1993)、同『社会人類学の二つの理論』(弘文堂、1977)、ピエール・クラストル『国家に抗する社会―政治人類学研究』(書肆風の薔薇・水声社、1987)、ジョルジュ・バランディエ『舞台の上の権力―政治のドラマトゥルギー』(平凡社、1982)。

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