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既 刊

身体の思想/養育論(心の発達と病理)・福祉論/実用書系

赤ちゃんからはじまる便秘問題 アカチャンカラハジマルベンピモンダイ―スッキリウンチシテマスカ?

●赤ちゃんからはじまる便秘問題
 ―すっきりうんちしてますか?

中野美和子 ナカノミワコ【著】
ISBN: 978-4-86209-054-6 C2047
[四六判並装]248p 18.8cm
(2015-05-27出版)
定価=本体1500円+税

§うんちで頭がいっぱい!!
「排便外来」を開いて、
毎日「困っている親子」に向きあう、 うんち博士・中野美和子先生が
伝える「便秘」のしくみ。
あったかくて・ナットクのことばたち。
毎日、毎日 スッキリ ウンチ大作戦!!

子どもと大人の排泄のしくみは違う
●1週間ぐらいウンチが出ません。下痢になったりパンツについたり、大変。「ただの便秘?」ですか・6歳●下着が汚れる・わからないうちにオナラ・7歳●便がちびちびしかでないで、お腹が痛い、スッキリ出ない・2歳●お腹に良いこと全て試したけど、何も効果がない。自分で出せなくなっている。病院では便秘は病気じゃないからといわれ、本人も出すのが怖い・8歳●離乳食後、本格的な便秘に。出口のないトンネルの中にいるようで、排便のない日を数える日々・1歳2か月●4~5日でないのが普通、4日めあたりから食事量も減り、毎回排便で苦しむ・2歳●発達障害があり、排便トレーニングをしたい・10歳●鎖肛術後の経過●産まれてすぐ便秘ぎみに。2歳になって排泄に恐怖感。本人は元気。便秘10日を過ぎると食欲落ち、浣腸で強制排便●小1、1月に3回しか出ません。夜はオムツを外せない。小児科ではお腹張らなければ大丈夫と、そのまま。食事も飲み物もあまり取らない。大丈夫か●小2になってすぐ、腹痛を訴え便を漏らすようになり、悪化している。




著者の指針
◎ひとりひとり、からだの能力、感受性も異なるし、成長の早さも異なります。そのわずかな違いで、幼い子どもの便秘症ができあがる。
◎便秘治療の原則は、はっきりしています。お腹にとどこおってしまった便を、まず排出してしまい、とどこおらない状態を保つこと、このことにつきます。便秘が起こる「しくみ」を知って、毎日、「すっきりしたお腹を感じる」習慣をつける。
◎身体と心の育みにむき合う「原則」を手にしてほしい。

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【主な目次】
1. 排便のしくみ
 1. 排便のしくみ/2.正常な排便?/3.排泄と成長・発達
2. 便秘のかいせつ
 1. たかが便秘?/2. 便秘・便秘症とは?/3. 子どもの便秘は、よくあること?/4. 慢性機能性(特発性、習慣性)便秘と、器質性便秘/5.便秘かどうかは、便の見た目と様子で判断する/6. 慢性便秘症の病態と症状/7. 便秘の「悪循環」/8.便秘の診断/9. 排便と食事/10.排便と生活習慣 3. 便秘の治療①
 ◆慢性機能性便秘症  1. 本来もっている機能を発揮させる/2. 薬物療法(内服・坐薬、浣腸、洗腸療法)/3. 手術/4. どのようにして慢性的な便秘症が治っていくのか/5.排尿、尿の漏れの問題―慢性便秘症で排尿にも問題が出る/腸の過敏性について―子どもの過敏性腸症候群
 ◆発達障害児の治療
 発達障害児と便秘治療
4. 便秘の治療②
 ◆器質性便秘症
 1. 直腸肛門奇形=鎖肛/2. ヒルシュスプルング病/3. 二分脊椎
5. 年齢による便秘の症状と治療
 1. 乳児の便秘について(1歳以下)/2. 幼児期の便秘について/3. 小・中学生の排便の異常・便秘/4. 大人の慢性便秘症(弛緩性便秘・直腸性便秘・痙攣性便秘・高齢のかたの場合)
6. 子どもの便秘の環境を整える
 1. 「なかなかトイレで排便しない」問題/2. 学校では―先生がたへ★小学校のトイレ事情/☆便秘がなおって、生き生き毎日・ハヤト君/3. 大災害時の排便問題―大人も子どもも
7. おわりにかえて
 ☆お母さんの感想・ゆたか君 ●17の症例を掲載

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【著者紹介】
中野美和子
福井県出身。神戸大学医学部卒。慶應義塾大学外科・国立小児病院をへて、現在は、さいたま市立病院・小児外科部長。日本小児外科学会指導医。「排便外来」を開設し、先天性の疾患、先天性疾患で手術を受けた後の長期フォローだけではなく、一般の子どもの難治性便秘、便通異常、便失禁の治療も行っている。鎖肛の会顧問。

【書評】
●読売新聞夕刊2015.7.9
 著者は、総合病院で排便外来を担当する小児外科医。すっきり出ない、おなかが痛い、下着が汚れる、おむつでしか排便できない、など様々な悩みを持つ親子を診察した経験を踏まえ、子どもの便秘はなぜ起こるのか、解決に向けたポイントをまとめた。
 治療の原則は、たまった便を取り除き、すっきりした気持ちよさを感じる習慣を身につけること。子どもは痛みから恐怖感を抱き、排便を我慢するようになることや、治そうと無理に嫌いな物を食べさせないなど、心理面への細やかな配慮が大切なことがわかる。
 実際に寄せられた親からの相談と回答もふんだんに盛り込んだ。子どもが長時間過ごす保育園や幼稚園、小学校の職員にも役立つ。

●小児外科2015年7月号「Book Review」
 この本には排便のしくみについて、また便秘について、こういう風に説明してあげたいということが、すべてわかりやすく書かれており、便秘にかかわる小児科医・小児外科医必携の本です。外来における便秘治療の時間の多くは問診に費やされます。ただ混雑しているなかでは、わかりやすく丁寧な説明が難しくなります。お子さんの便秘で来院するお母さんがこの本を読んでから来院してくれたら、説明が省けてどんなに診療が楽になるか計り知れません。また便秘に関するさまざまな相談やその対応が実際の症例に沿って書かれており、そのなかには、おそらく自分のお子さんとよく似た症例があると思われ、これも大変参考になると思います。排便に問題があるのは母親のしつけが悪いためと悩んでいるお母さんは、この本を読むことによりきっと心が軽くなります。ぜひ一読をお勧め下さい。
 筆者の中野先生は便秘を総合的に捉えており、対応の仕方を読んでいると先生の素晴らしいお人柄がよくわかります。便は出ていれさえすれば大丈夫、また浣腸は癖になるからやめたほうがいい、このような便秘に関する間違った知識を振りまいて、お母さんたちに心配の種を蒔く一部の医療従事者、保健師、保育士、学校の先生などにもぜひお読みいただきたいと思います。排便環境についても触れられています。かつて自分が通っていた小学校の旧校舎のトイレは汲み取り式のいわゆる“ぽっとん便所”で、トイレは汚い、臭い、暗い場所であり、ここで排便する気にはとてもなれませんでした。さすがに現在では水洗ですが、依然汚い、臭い、暗いイメージで、さらに多くは和式トイレのままで、子どもにとって学校のトイレが排便しやすい環境とはいえません。予算の問題でしょうが、家と同じ洋式トイレの導入が望まれます。最後にトイレで排便ができない、オムツ排便の解説の項では、「子どもを信頼し、子どもの自由意志による選択を尊重して寄り添うことが大切」と書かれています。中野先生も述べているように子どもを患者さんにおきかえて、日々の診療における自分の姿勢を振り返りたいものです。                   (評:大谷俊樹:かみさぎキッズクリニック)

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